自己破産の手続きと免責について

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自己破産の手続きについて詳しく紹介

説明する女性

自己破産の手続き方法や費用、免責についてなどまとめたホームページ「10分で自己破産がわかるオフィスワン」へようこそ。申し立て、裁判所、調停など、難しい自己破産の手続きが簡単にわかるよう、工夫しています。みなさまの助けになれば幸いです。

 

自己破産しても免責されない支払い義務もある

自己破産は借金をすべて棒引きにする債務整理ですが、免責されないものもあります。税金や公共料金、または破産者が故意や悪意で引き起こした不法行為の損害賠償や慰謝料は、支払い義務が残りますので、手続きの前に知っておきましょう。

 

「自己破産」は債務整理の一つで、債務者が借金の返済を継続してできないと裁判所が判断した場合、すべての支払い義務が消滅するというものです。一方ではデメリットもあって、20万円を超える資産は基本的に処分しなければなりませんし、手続き中は特定の職業に就くことができなかったり、海外渡航が制限されたり、その後数年間はキャッシングが利用できないなど、生活にいろいろな制限が加わります。

 

とはいえ、貸し借りというところに絞れば、成立した時点ですべての借金がきれいになくなるのですから、多重債務に陥った方にはとてもありがたいですよね。まさに最強、究極の債務整理といえるでしょう。

 

ですが。実はこの自己破産も万能ではないのです。

 

自己破産をしても免責されない支払い義務もあるため、注意しなければなりません。
「①公的請求」、「②損害賠償」、「③慰謝料」、「C養育費」などがそれにあたります。

 

①公的請求 公的請求とは、税金や公共料金、年金のことです。また、公的機関への罰金も免責されません。
②損害賠償 損害賠償については、「故意」、「悪意」、「重過失」による損害賠償は、支払い義務が残ります。暴行で怪我をさせたり、危険運転と判断されるような交通事故の損害賠償などがこれにあたります。一方、単純なわき見運転の事故は賠償金が免責になります。
③慰謝料 慰謝料は離婚にからんだケースが多いと思いますが、これも「悪意による不法行為」に対する慰謝料は免責になりません。DVに対する慰謝料などですね。浮気に対する慰謝料は免責されます。女性からすると納得いかないところですが、法律では浮気はこういう扱いになっているようです。
④養育費 養育費はそのまま、子供の養育に必要なお金の支払いです。以前は免責事項に入っていたのですが、平成17年の改正で免責されないことになりました。

 

自己破産をすると何もかもきれいさっぱりなくなるように思われますが、消滅するのは基本的に「貸金業者との契約」ということなのですね。ただ、経済的に困窮しているため、よんどころない事情の賠償や慰謝料はお目こぼしして、その代わり、自業自得の支払いは免責からはずす、というのが、自己破産の構造です。

 

手続きのときに弁護士からも説明があるでしょうが、自己破産を考えている方は参考にしてください。

無事に自己破産するために、やってはいけないこと6つ

自己破産の申し立てには免責不許可事由があります。経済状態や借り入れ状況について嘘の申告をしたり、違法な形でお金を得ようとするなど、不誠実な対応があると自己破産は認められないことになります。

 

女性

自己破産の申し立てが裁判所で認められると、その時点で借金の返済義務はなくなります。多額の借金を抱えている方には心強い制度ですよね。返済に追われて生活が破綻しそうな場合は、検討してみてもよいと思います。

 

ただし、申し立てにあたっては、これを行っていたら自己破産は認められないという「免責不許可事由」というものがあります。手続き前に理解しておきましょう。

 

①財産の隠匿等 財産を申告しなかったり、名義を変更するなどして隠す行為です。
②換金行為等 クレジットカードで商品を購入したあと、買い取ってもらうという名目でお金を受け取る「クレジットカードの現金化」とよばれる行為は、免責不許可事由になることが定められています。
③偏頗弁済 へんぱべんさい、と読みます。不公平な弁済、という意味ですね。名称がわかりづらいのは法律用語のためです。

 

法律では、債権者の権利は条件にかかわらず平等であることが定められています。そのため、たとえば、親族から借りた分を優先して返済して、友人や貸金業からの借金は自己破産でチャラにしようとすると、これは免責不許可事由にあたります。

④ギャンブルや浪費による財産の減少 ギャンブル、収入に見合わない出費が借金の原因である場合は、いわば自業自得なので免責不許可事由とみなされます。ただし、申し立てのときにそうした生活が改まっていれば、ほとんどの場合は自己破産が認められるようです。
⑤詐欺的な借り入れ 申し立ての1年以内に、所得を偽ったり、虚偽の身分証明書を使って借り入れをしようとした場合です。
⑥その他 申し立てのあと、裁判所からの呼び出しに理由もなく応じなかったり、虚偽の資料を提出する、事実と異なる証言をする、質問に答えないなど、対応が不誠実であるとみなされた場合、免責不許可事由になります。

 

自己破産の申し立ては、経済的に困窮していることは当然ですが、生活態度が品行方正であることも条件になってくるのですね。債権者に納得してもらうためには、必要な条件なのかもしれません。

 

自己破産するためにかかる費用は

自己破産をするときは、各種手続きの手数料や破産管財人への報酬などをまとめて、事前に裁判所に納めます。ただし、20万円以上の財産がない場合は、手数料だけ納めればよいことになっています。

 

自己破産の手続きには。実はいくつか手数料が発生します。手数料を「予納金」という形でまとめて裁判所に支払うのですが、

 

「それって高いの?」

 

自己破産を考えている方は真っ先にそれが気になると思います。確かに、経済的にひっ迫して自己破産するのに、お金がないから自己破産できない、では矛盾ですよね。ちゃんと免除措置がありますので、安心して読んでください。

 

まず、予納金の内訳を確認してみましょう。

 

①手数料 手続きの手数料で、個人の破産の場合は1500円ほどです。
②官報公告費 自己破産すると官報に公示されますが、そのための費用です。1〜1万6000円ほどです。
③郵便切手 債権者への通知に使われます。
④引継予納金 破産手続きで一番お金がかかるのがこの部分です。自己破産には債務や財産の整理が伴います。過払い金を引き直し計算したり、または財産を処分して債務の返済に充てたりといった処理なのですが、これらの煩雑な作業は破産管財人が行うのです。

 

引継予納金というのは、破産管財人への報酬になります。財産を整理してみたら何も残らなくて、報酬が出なかった、という事態が起こると管財人を引き受ける人がいなくなるため、事前に報酬分をキープしておく制度です。

 

さて、気になる金額ですが、破産申し立てをした方に20万円以上の財産がない場合は「同時廃止」という手続きが取られ、引継予納金は不要です。①〜③の費用だけで済みますから、合計すると1万5000円から2万円くらいでしょうか。

 

次に、申立人に20万円以上の財産がある場合は、それらを処分して20万円の引継予納金を支払うことになります。これは「少額管財」という手続きです。少額管財は官報公示費が高くなるので、合計すると22万円前後の手数料を考えておく必要があります。ちなみに、引継予納金の減額措置はなく、一律20万円になります。

 

個人の破産申し立ての場合は、ほとんどが上記の「同時廃止」か「少額管財」、いずれかの手続きになります。

 

でも参考までに、もっと負債が多い場合の引継予納金の額も紹介しておきましょう。負債が5000万円未満は引継金は50万円が必要です。1億円を超えると150万円、10億円を超えると400万円。ちなみに引継金の上限は700万円で、これは100億円以上の負債がある場合です。負債が100億ですよ?! ……歴史のある名家が破産するとこれくらいになるんでしょうか? ともかくケタの違う話ですね。

特定調停は、債務整理に有効なのか

特定調停は裁判所に調停を依頼して、経済時様態に見合った範囲で返済を行う方法です。手続きに費用がかからない反面、滞納すると給料の差し押さえなど、大きなペナルティがあるなど、リスクをはらんだ方法です。

 

考える女性

特定調停は債務整理の一形態で、裁判所が債権者と債務者の間に入って、返済額や返済方法を調停するというものです。メリットは? デメリットは? 債務整理のためにどのくらい有効な方法なのか? 手続きを追いながらまとめてみましょう。

 

①申し立て 債権者の所在地を管轄する簡易裁判所で申立書をもらい、記入したあと、給与証明や借入れの契約書等を添えて提出します。特定調停は手続きをすべて自分で行うため、手数料は安く済みます。
②事情聴取 申立人は指定された日に裁判所にでかけ、生活状況や収入、返済方法の希望などを調停委員に伝えます。
③調停 調停人は、返済額から過払い金を引き直し計算し、月々の生活費を引いて、残った額を3年間で完済するように返済計画を立てます。債権者と電話で調整を行います。

 

特定調停は「3年以内に完済すること」が条件になります(困難な場合は5年まで延長できます)。そのため、借入額が大きくて3年で返済するのが無理と判断された場合は、調停が不成立になることもあります。

④調停成立 返済額や返済方法について、債権者と申立人、双方が納得したら調停成立です。手続きがここまで終了するまでにかかる期間は、だいたい2ヵ月ほど。その間、申立人は2回ほど裁判所に行く必要があります。
⑤返済 一連の手続きが完了すると、調停調書が作成され、申立人は毎月、決められた額を返済していくことになります。この調停には法的な強制力がありますので、万が一返済を滞納してしまうと、給料が差し押さえられる事態もあり得ます。

 

メリットとデメリットをまとめましょう。

メリット 月々の返済額を減らすことができる。手続きにかかる費用が少なくて済む。職業などに制限がかからない。
デメリット 調停不成立になる可能性がある。信用機関に事故情報として残る。返済が滞ると給与などが差し押さえられることがある。

 

返済が滞ったときのペナルティが非常に大きいのが目を引きます。これが、特定調停の一番のネックといってよいでしょう。

 

債務整理を考えている方は、生活全般が順調ではないことが多いですから、最初に立てた返済計画の通りに返済を行えないこともあるでしょう。何らかのアクシデントで滞納してしまうと、そこですべてが水の泡、というのは精神的に苦しいですよね。

 

実際に、特定調停を選択した方の中には、結局自己破産に至ってしまった例も少なくないようなのです。

 

特定調停はメリットよりもリスクの方が大きい方法のように思われますね。

 

自己破産すると官報に載るのはなぜ? そのデメリットは?

官報には国の各機関の活動報告が掲載されており、裁判所が行った会社更生や自己破産の情報も載ることになります。掲載によって、貸金業からのダイレクトメールが増えるなどのデメリットが報告されています。

 

自己破産するとその旨が官報に掲載されます。官報は、政府が刊行している機関紙で、各都道府県の官報販売所で販売しているものです。

 

内容は主に国の行った諸活動の報告なのですが、こういう紙面に自己破産という個人的な情報が載るのはちょっと腑に落ちない気がしませんか。また、掲載されることで何かデメリットはないのでしょうか?

 

まず、あらためて官報にはどのようなことが載っているかというと、政府や各省庁、特殊法人などの活動報告、資料になります。具体的には法令・政令・条約などを誌上で公布したり、国会や皇室に関する報告、公務員の人事異動、国家試験の実施要綱など、内容は多岐に渡ります。

 

そして肝心の自己破産については、「裁判所の公告」の中に、会社更生と一緒に載っています。企業でも個人でも、破産の手続きを行ったり、認可したりするのは裁判所の仕事ですよね。

 

つまり、自己破産した方の氏名が載るのは、何もペナルティとしてさらされているわけではなくて、単に裁判所の活動実績の報告として掲載されているということになると思います。

 

では、こうした個人情報が官報で公表されることで、何か不利益をこうむることはあるのでしょうか。

 

確実性は不明ですが、就職のときに影響を受けるという話があります。特に大企業では、官報を購入して自己破産した人のデータをストックしておき、入社希望者を照会しているといわれています。どれくらい確かな話なのかはわからないのですが、信用情報会社のデータは基本的に本人以外は閲覧できませんし、大企業は多少人手が余っていますから、そういう面倒な作業をしている可能性もあります。

 

もう一つは、貸金業者からのダイレクトメールが増える、というデメリットです。これは自己破産した方が実際に証言しています。実は自己破産すると、その後7年間は再び自己破産できないのです。その間に貸付をして、高利を吸い上げようという貸金業者が公告を送ってくるんですね。自己破産後すぐに増えるようなので、こちらは間違いなく、官報を見て送付しているのだと思われます。うっかり甘言に乗らないようにしましょうね。

 

一方、親戚、友人、または勤め先に破産の事実が知れてしまう、という心配はしなくてもよいと思います。官報を読んでいる一般人はほとんどいませんから。